「一枚の切符」の感想
一枚の切符
いちまいのきっぷ
初出:「新青年」博文館、1923(大正12)年7月

江戸川乱歩

分量:約36
書き出し:上「イヤ、僕も多少は知っているさ。あれは先ず、近来の珍事だったからな。世間はあの噂で持切っている。が、多分君程|詳敷《くわし》くはないんだ。少し話さないか」一人の青年紳士が、こういって、赤い血の滴《したた》る肉の切れを口へ持って行った。「じゃ、一つ話すかな。オイ、ボーイさん、ビールの御代りだ」身形《みなり》の端正なのにそぐわず、髪の毛を馬鹿にモジャモジャと伸《のば》した、相手の青年は、次の様に語り...
更新日: 2024/10/18
a77873d2807eさんの感想

6年後にいまさらですが、トップレビューの意見、そういう疑問点も含めての「推理」というもののトリッキーさ、危うさを最後に左右田に語らせていると思う。 石(庭石ではないと思うが)の件指摘すれば、左右田も「そうだよ」といいそう笑 青空文庫で乱歩作品を読み進めて以来、江戸川乱歩という作家に驚かされっぱなしですが、 この作品も特に最後の一文は効いている、洒落ていると思います。 追記 書いていてちょっと恐くなったのですが、 たしかに、石で足痕を深くするトリックは、中途半端ですよね。 ホームズだったら足痕の深さを計測すると思っていたのでした。人1人抱えてどれ位深くなるか。 そして、病身の女性が自分ほどの重さの石を抱え歩く事はまず不可能だ。 ならば、博士の靴を履いて手ごろな石を抱えていったのが夫人だとしても、それは例えば列車でも脱線させて博士の名声を落とそうとでもいう程度の企みだったかもしれない。 そして、完全犯罪は、左右田が再三称揚する程の最優秀頭脳の博士が遂行したとするならば。 そして暗に左右田はそれを示唆しているとするならば… それが一番恐いミステリーだなと思いました…

更新日: 2024/01/18
8eb05d040692さんの感想

偶然拾った切符から事件の真相を暴く。なかなか面白かった

更新日: 2021/10/08
阿波のケンさん36さんの感想

証拠品の1枚の切符にしてもチョットしたことで有罪の証拠にも無罪の証拠にもなる。そういう危ういものであると作者は言いたかったのであろう。

更新日: 2020/10/18
cf1c66f1b566さんの感想

簡単に読めて深い

更新日: 2019/01/06
びたちょこさんの感想

オチも含めて素晴らしい。 探偵が二人出る、というのは乱歩さんの作品でよくあるものの、これもどんでん返しが見事です。 思わず「なるほど!」と鳥肌が立つ思いでした。

更新日: 2017/11/23
bd857a0c15ffさんの感想

よし

更新日: 2017/11/21
よしふみさんの感想

「緻密な冤罪計画を、妻が画策した」 との結論だが、ひとつひっかかる。 ①なぜ、博士に罪をきせる計画なのに、自宅の石を「重みの靴跡」として利用したのか? 自宅の庭石が一つ無くなれば即ち、 「重みの靴跡」は、人を抱えてついた跡ではなく、石を抱えてついた跡であることは、すぐにバレる。 本来なら、その石は、他所から仕入れるべき「路傍の石」であるべきなのだ。 「綿密な冤罪計画」のはずが、大きな落ち度が残る計画に落ち着いてしまう。 となると、「本当に旦那を陥れるために画策した「妻による罠」なのだろうか?」 という疑問は残存するのである。