雙之川喜1941 敢えて 読むほどの ことはないけど 暇つぶしの 種としては よいのかもしれない。展開の しかたは そうきたかと 思わせる くだりが 無いわけではない。
だいぶ北川さんがむっつりしてて、恋には疎く間抜けな出来損ないの割にはしっかりした作戦だけは立てれた様に見える。 コインさえまちがなければちゃんと上手く行ったのかもしれない。 本当にその野中が奥さんを火事の中に追いやったのかも不明であるが、誰か他所の関係ない人物のせい、もしくは自ら火の中に飛び込んだかも知れない。 ただ単に北川が余りに何も協力せず愛想を尽かし絶望し、子供の世話や育児に嫌気が差し自らじさつした可能性すらある。 真実は火事の火の中なので、もはや誰にも分からない。 ただ単に冷や汗をかき、あおい顔をしていたのは余りにねちねちと長時間責め立てて気分を壊しただけにも見える。 結局復讐だけに明け暮れ、ひとつのことしか見えない様な者は何時の時代も残念なことになるだけだと思ってしまった。
主人公の語り口も含め、心理描写が素晴らしい。江戸川乱歩は、殺人犯など狂気に満ちたキャラクターの描写が本当にうまい、と、改めて感じた一作。
暇潰し的に読むには手頃な分領で、内容も乱歩らしい心理ミステリーですが、文体や漢字の使いが古いものなので読みづらい部分もけっこう在ります