「恐ろしき錯誤」の感想
恐ろしき錯誤
おそろしきさくご
初出:「新青年」博文館、1923(大正12)年11月

江戸川乱歩

分量:約61
書き出し:「勝ったぞ、勝ったぞ、勝ったぞ……」北川《きたがわ》氏の頭の中には、勝ったという意識だけが、風車の様に旋転《せんてん》していた。他のことは何も思わなかった。彼は今、どこを歩いているのやら、どこへ行こうとしているのやら、まるで知らなかった。第一、歩いているという、そのことすらも意識しなかった。往来の人達は妙な顔をして、彼の変てこな歩きぶりを眺めた。酔っぱらいにしては顔色が尋常だった。病気にしては元気...
更新日: 2025/05/11
65c8aadc88adさんの感想

雙之川喜1941  敢えて 読むほどの ことはないけど 暇つぶしの 種としては よいのかもしれない。展開の しかたは そうきたかと 思わせる くだりが 無いわけではない。

更新日: 2020/06/28
ee709a407030さんの感想

だいぶ北川さんがむっつりしてて、恋には疎く間抜けな出来損ないの割にはしっかりした作戦だけは立てれた様に見える。 コインさえまちがなければちゃんと上手く行ったのかもしれない。 本当にその野中が奥さんを火事の中に追いやったのかも不明であるが、誰か他所の関係ない人物のせい、もしくは自ら火の中に飛び込んだかも知れない。 ただ単に北川が余りに何も協力せず愛想を尽かし絶望し、子供の世話や育児に嫌気が差し自らじさつした可能性すらある。 真実は火事の火の中なので、もはや誰にも分からない。 ただ単に冷や汗をかき、あおい顔をしていたのは余りにねちねちと長時間責め立てて気分を壊しただけにも見える。 結局復讐だけに明け暮れ、ひとつのことしか見えない様な者は何時の時代も残念なことになるだけだと思ってしまった。

更新日: 2019/11/27
3fff2873574dさんの感想

主人公の語り口も含め、心理描写が素晴らしい。江戸川乱歩は、殺人犯など狂気に満ちたキャラクターの描写が本当にうまい、と、改めて感じた一作。

更新日: 2018/05/10
faab565295feさんの感想

暇潰し的に読むには手頃な分領で、内容も乱歩らしい心理ミステリーですが、文体や漢字の使いが古いものなので読みづらい部分もけっこう在ります