透明怪人
とうめいかいじん
初出:「少年」光文社、1951(昭和26)年1月号~12月号分量:約246分
書き出し:ろう人形そのふたりの少年は、あんなこわいめにあったのは、生まれてからはじめてでした。春のはじめの、ある日曜日、小学校六年の島田《しまだ》君と木下《きのした》君は、学校の先生のおうちへあそびにいって、いろいろおもしろいお話を聞き、夕方になって、やっと先生のうちを出ました。そのかえり道の出来事です。「おや、へんだね、こんな町、ぼく一度も通ったことがないよ。」島田君がふしぎそうに、あたりを見まわして、言...