前半は面白かったが、後半は単調で退屈でした。ストーリーが予想できる展開でした。どんでん返しがあればよかったのですが。
古今東西、『白髪鬼』と題する作品、また『白髪鬼』に関する作品は多い。乱歩先生が、『白髪鬼』なる作品を著されていたのは、初めて知りました。本作品は、マリイ・コレルリ女史作『ヴェンデッタ』を基に、乱歩先生が私的の創作されたものとのことです。『ヴェンデッタ』を読んだことのない自分には、どの辺を私的に創作されたかは分からないのですが、面白く読み進められる作品でした。古典的スリラーでは、恐怖のあまり、一夜にして頭髪が真っ白になる表現が、使われることが多いです。しかし、現代医学では、恐怖による白髪化は、あり得ない現象とのことです。その為か、現代のスリラーでは、このような白髪化の描写はなくなったように思います。でも、想像を絶する恐怖を表現するのに、白髪化は絶妙な気がします。
とても読みやすいので一気に読めます。私は妻の顔を2度芸能界を追放された某女優をイメージしながら読みました。