「白髪鬼」の感想
白髪鬼
はくはつき
初出:「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月

江戸川乱歩

分量:約289
書き出し:(作者申す)この物語はマリイ・コレルリ女史の傑作『ヴェンデッタ』を、私流に改作したものです。『ヴェンデッタ』には已《すで》に黒岩涙香《くろいわるいこう》の名訳『白髪鬼』があるので、私は同書版権所有者の承諾を得て、態《わざ》と同じ題名を用いることにしました。併し、内容は、原作とも涙香の訳とも、大分違ったものになる積りです。「冨士」昭和六年四月号異様な前置き今わしの前には、この刑務所の親切な教誨《きょ...
更新日: 2024/03/23
b6aef1e1a7c3さんの感想

前半は面白かったが、後半は単調で退屈でした。ストーリーが予想できる展開でした。どんでん返しがあればよかったのですが。

更新日: 2021/12/18
ハルチロさんの感想

古今東西、『白髪鬼』と題する作品、また『白髪鬼』に関する作品は多い。乱歩先生が、『白髪鬼』なる作品を著されていたのは、初めて知りました。本作品は、マリイ・コレルリ女史作『ヴェンデッタ』を基に、乱歩先生が私的の創作されたものとのことです。『ヴェンデッタ』を読んだことのない自分には、どの辺を私的に創作されたかは分からないのですが、面白く読み進められる作品でした。古典的スリラーでは、恐怖のあまり、一夜にして頭髪が真っ白になる表現が、使われることが多いです。しかし、現代医学では、恐怖による白髪化は、あり得ない現象とのことです。その為か、現代のスリラーでは、このような白髪化の描写はなくなったように思います。でも、想像を絶する恐怖を表現するのに、白髪化は絶妙な気がします。

更新日: 2021/10/14
e93bc03013a8さんの感想

とても読みやすいので一気に読めます。私は妻の顔を2度芸能界を追放された某女優をイメージしながら読みました。