「虫」の感想
むし
初出:一~四「改造 第十一卷第六號 六月號」改造社、1929(昭和4)年6月1日

江戸川乱歩

分量:約120
書き出し:一この話は、柾木愛造《まさきあいぞう》と木下芙蓉《きのしたふよう》との、あの運命的な再会から出発すべきであるが、それについては、先《ま》ず男主人公である柾木愛造の、いとも風変りな性格について、一言《いちごん》して置かねばならぬ。柾木愛造は、既《すで》に世を去った両親から、幾何《いくばく》の財産を受継《うけつ》いだ一人息子で、当時二十七歳の、私立大学中途退学者で、独身の無職者であった。ということは、...
更新日: 2023/02/22
矢部小路角三さんの感想

前半の乱歩キャラの変態性が、後半一気に死体描写に移るとキャラではなく、乱歩自身の変態猟奇性が遺憾なく記されていて、やや気味が悪くなる。ここまで来ると気狂い物書きの戯れ文だ。もし身内なら外を歩けなくなる。やめてよ、お父さん!

更新日: 2023/01/21
4955f3fd3aecさんの感想

死体をキャンバスに見立てるというのが、面白かった。 要約すれば、引きこもりの青年が“どうして俺だけのけ者にされるんだ!どうして僕だけ性行出来ないンだ!チクショー!”と言って女性を殺す話。 ただ死体への彼なりの奉仕が面白い。 殺害の前に犯罪をワンクッション置くのがすんなりと物語を運んてでる。

更新日: 2021/08/08
阿波のケンさん36さんの感想

エロ、グロ、奇怪と狂気正に乱歩世界全開の作品だ。

更新日: 2021/08/04
0c2892c2e65fさんの感想

これぞ乱歩ではないが、今で言えば引きこもり青年の歪んだ慕情の一端が窺えて、それなりに興味深い。が畢竟それだけである。