「母性愛の蟹」の感想
母性愛の蟹
ぼせいあいのかに
初出:「あまカラ 第八十号」甘辛社、1958(昭和33)年4月5日

中谷宇吉郎

分量:約7
書き出し:加賀の蟹は、東京などにもよく知られている。いわゆる「ずわい蟹」という。脚の長い形のよい蟹である。この蟹は、一般には、越前蟹と呼ばれているが、肉は白い大理石のような色をしていて、きめのこまかい締った肉の歯ごたえが、誰にも喜ばれている。しかしこの蟹とほとんど同じ時期に、「こうばく蟹」という小さい蟹も、北陸の沿岸では、たくさん漁れている。甲の大きさは、直径二寸足らず、細くすんなりと伸びた脚を伸ばしても、...
更新日: 2020/12/13
19双之川喜41さんの感想

 ずわい蟹の雌の食べ方を 微に入り細を穿って説明されると いまさらながら 天下の美味であることが 伝わってくる。 ただ 大きさも 価格も 十分の一位なので 雌は わりを食っている。 中谷の執着が 面白いと感じた。