大雪山二題
たいせつざんにだい
初出:大雪山の雪「随筆 四月号」随筆舎、1952(昭和27)年4月1日分量:約14分
書き出し:一大雪山の雪昭和二十二年の秋の話である。その頃私は、資源関係の或る会の委員をしていて、日本の水資源の調査を一部やることになっていた。敗戦後の日本に残された資源のうちで一番大きいものは水であるから、これは少し真面目にやってみる必要がある。というので、柄にないことを始めたわけである。ところで水資源のうちで、一番大きいものは、日本では、まず雪であるということに気がついた。これは我田引雪の話ではなく、日本...