「小さい機縁」の感想
小さい機縁
ちいさいきえん
初出:「光 第二巻二号」光文社、1946(昭和21)年2月1日

中谷宇吉郎

分量:約8
書き出し:今年の六月、本土爆撃がいよいよ苛烈になって、東京は大半焼け、横浜も一日の猛爆で、全市が一遍に壊滅してしまった頃の話である。鎌倉で或る機会に里見※氏を訪ねた時に、狩太《かりぶと》にある有島農場の話が出た。あの農場はもとは里見さんの令兄故有島武郎氏の農場であった。有島さんはその頃抱懐されていた主義に基いて、あの農場を当時の小作人たちに無償で開放された由である。その開放の方法がちょっと変っているので、普...
更新日: 2019/09/06
19双之川喜41さんの感想

 北海道の羊蹄山のそばの有島牧場は  宇吉郎が 一時は疎開先として検討したところであるけど 後に農業物理の研究所を作ったので  なんか機縁があると感じたのである。 カインの末裔という小説にも出てくるように  木は魔女の髪 のように乱れ 狂った とある。