「黒蜥蜴」の感想
黒蜥蜴
くろとかげ
初出:「日の出 第三巻第一号―第十二号」1934(昭和9)年1月号~12月号

江戸川乱歩

分量:約272
書き出し:暗黒街の女王この国でも一夜に数千羽の七面鳥がしめられるという、あるクリスマス・イヴの出来事だ。帝都最大の殷賑《いんしん》地帯、ネオン・ライトの闇夜の虹が、幾万の通行者を五色にそめるG街、その表通りを一歩裏へ入ると、そこにこの都の暗黒街が横たわっている。G街の方は、午後十一時ともなれば、夜の人種にとってはまことにあっけなく、しかし帝都の代表街にふさわしい行儀よさで、ほとんど人通りがとだえてしまうのだ...
更新日: 2022/02/04
本好きの中学生さんの感想

読み終わったあとの、素晴らしさからくる余韻が凄まじいです。 今まで読んできた本の中で1番心を打たれました。内容的にもとても分かりやすく、読みやすいものでした。 言葉の表現が美しく、頭の中でそっくりそのまま映像のように映し出される感覚が、とても強く感じられる作品でした。 少し気持ち悪い部分もありました。

更新日: 2020/11/29
95f9c5156583さんの感想

これは探偵物であり冒険小説であり恋愛ドラマでもある。善悪好敵手が互いに相手のずば抜けた知力に敬意を払いつつ、それを上回る計略を講じ、相手を追い詰めていく痛快さがこの小説の面白さだ。 久し振りに再読してみると、これはまさにスパイ大作戦の世界。小説当時の技術からすると、相手の見知った人物に扮装し行動を共にしても全く気付かれなかったり、誘拐運搬のテクニックにしてもあまりにも荒唐無稽であるが、娯楽小説であるから、読者は寛容に受け流して読み進められる。 作者自身による状況解説が親切すぎてやや白けるが、大衆向けの小説であることを意識しての配慮なのだろう。 ダイナミックなストーリー展開、おどろおどろしい雰囲気、登場人物の秀逸なキャラクターなど素晴らしく、何度も映画化、ドラマ化される理由がわかる。

更新日: 2020/08/19
19双之川喜41さんの感想

 蜥蜴の 入れ墨を 腕にしている女賊と 明智の攻防戦が 海上にも及び (人間椅子)の トリックが 使われたりしている。登場人物が 数分で 変装するのが 少し 無理筋のよう 思えてくる人も いるかもしれない。気にしないで 一気に 読み飛ばすと 爽快かなと 感じた。

更新日: 2020/06/16
六花亭四号さんの感想

トリックは簡単ながら、するすると読ませられた。黒蜥蜴のキャラクターが魅力的すぎる。絶世の美女でありながら口調が僕っ子になったり、狂気的に美に執着したりと掴みどころのない人であった。しかし最期のキスに彼女の人間味が現れ、魅力的に見えるのだろう。明智小五郎自身にこのような恋愛事が起こるのはあまりないので、物珍しさもあって面白かった。

更新日: 2018/03/20
b221989c280cさんの感想

とても美しくてときめいた 本当に面白い素晴らしい

更新日: 2018/01/13
e2bb57052963さんの感想

黒トカゲはどこか中性的な感じがする。女性であるのにたまに少年のような感じもした。とにかく彼女が魅力的な作品。

更新日: 2017/12/24
あんさんの感想

やっぱりこの作品は傑作ですね! 黒蜥蜴のするするとした描写は妖艶さと気高さと少しの狂気とをほどよく感じさせるので大好きです。最後のシーンもまさに黒蜥蜴の生き様を一瞬で表したようでとても心に残りました。こんな女性になりたい…

更新日: 2017/08/21
919ed3a3ac9cさんの感想

江戸川乱歩の明智小五郎が出てくるシリーズの中で、これはダントツに面白い 黒蜥蜴がいちいち美しい

更新日: 2017/07/15
1836d0232b66さんの感想

読み終わった後黒蜥蜴が好き過ぎて友達へのメールが斜に構えた高笑い風文章になりそうになりましたわおほほほ。 女らしい感情の起伏が多く現れるのが、怪盗二十面相とはちがってまた良い… 息を呑む程の表現で正直先に読み終わった江戸川乱歩作品のどれよりも驚かされましたしドキドキしました。 このジャンルって難しくって全然手が出せなかったけど江戸川乱歩氏は濃すぎるミステリーじゃないから手が出しやすいのが凄く嬉しい。ここから色々読めたらいいなぁ…

更新日: 2017/03/05
251e72a62fa3さんの感想

面白かった!明智さんが、格好良かった。ただ、本格的ミステリーが好きな人には物足りないかもしれない。