「教育と迷信」の感想
教育と迷信
きょういくとめいしん
初出:「日比谷図書館にて講演」1911(明治44)年5月

丘浅次郎

分量:約20
書き出し:一教育の目的教育学の書物には教育の目的について、種々高尚なことが書いてあるようであるが、実際においては教育の目的は列国競争場裡に立って、立派に独立して行けるだけの資格を備えた次代の国民を養成するにあることはたしかである。もしこの目的にかなわぬような教育を施す国があったならば、その国の前途はすこぶるあぶない。されば教育に従事する者はこの実際的の目的を常に意識して一刻もこれを忘れてはならぬ。さて列国競...
更新日: 2017/08/12
芦屋のまーちゃんさんの感想

今風に言えば、文系と理系なら理系教育重視ということだろう。文系はどことなく迷信的な感覚を持っている。詩的な情景が漂う。理系はデカルト的懐疑から科学的実証を経た真理のみを求める。他国に劣っていたのは当時は確かにそうした理系カであろう。ただ、丘氏の考察で最大の誤りは、「軍事カ以外は」としたところだ!当時の知識人の共通の誤謬である。軍事力こそが迷信ではなく理科的に判断されるべきだったのだ!