誤解せられたる生物学
ごかいせられたるせいぶつがく
初出:「教育界」1908(明治41)年10月分量:約15分
書き出し:科学の中には教育のない人々からつねに誤解せられているものが少なくない。たとえば地質学の教室へ外国人をつれてきて、ここは土壌を分析していかなる作物に適するかを調べるところであると、説明した案内者もある。また日々の天気予報は天文台から出るものと心得て、星学者に向かってそのあまりあてにならぬことを盛んに攻撃しかけた紳士もある。しかしこれらはいずれも極端な例であって、今日一通りの普通教育を受けた人ならば、...