当時 我が国は 次々と大国に打ち勝ち 国民の 意気は 高揚していたらしいけれど その風調に対して 浅次郎は 日本には 博物館のひとつもない 博覧会で一等を取ったものは 他国の模造品である 文学ばかりが 盛んなのは よろしくない。 もっと人知を絞った 物を 作ろうと 警鐘を鳴らす。
日本が敗戦国ではなく戦勝国であった時期に書かれた希少な記述だ。 文明的新知識の習得を訴えている。 それには理科の知識が必要だ、という。理科とは幼稚な言葉なので科学と置き換えよう。 日本を戦争が得意で、科学的知識が不得手と考えているところが我々には理解できぬところだ。 脳みそ筋肉のスポーツ馬鹿みたいではないか! 元来、日本人は農耕民族であり控え目な肉体的ではなく精神的な輩の集まりのはずだ。 丘氏の生きた時代が異常なのだ。 敗戦から立ち直り経済的科学的に発展した現在の日本を彼に見せたかった。