主人公の勉強のライバルのお話。彼は芸術、それも人間の肉体こそ最高の芸術だとし最後に芦ノ湖畔に壮大な芸術作品群を創り上げるがそれを自分の楽しみ用であり他人には見せない。例外ととして主人公は招待され彼は最高の芸術家であると認めるが世間には認められまいと思う。そんな芸術家を描く。
豪華絢爛彫刻幻想邸宅金色死
体中の 毛穴が 金箔で 塞がれたための 死である。 親の残した 莫大な遺産を 注ぎ込んで 広大な土地を購入し 塑像類を配置し 自ら 厳しく鍛え上げた 肉体を いわば 生きた動く彫刻として 展示した果ての 惨事であった。 果たして 彼は芸術家であったのかという 根源的な 疑問を 読み手に 提示すると感じた。 三島由紀夫の ボディビルを 思い出した。
芸術論を交わす所など、随所に若さ故の勢いを感じます。西洋かぶれで金持ちの若者の道楽の末金粉を塗ったまま死ぬ。その様を彼の魂は芸術の完成としたのだろうか?私が金持ちだとしても、この様には出来ない。とすると、生き様は芸術的なのか?いやいや、やはりお金に惑わされたナルシストの男の一生と言うところだろう。主人公?の友人が、冷めた目で見ている所が印象的。
自分が頭が良いという人物はあまりいない。自伝であれば、谷崎がということになるが果たしてどうか?岡崎なる人物も実在したものか?後半の芸術論にはついていけない。それが主題だとしても、凡人向けでなく残念だ!