暗い話のようなのに、そう感じないのは、理解しがたさを突き抜けて「滑稽」さにまで行ってしまったからだと思った。 おそらく最後に見たものはきっと、街の誰にも気付かれずに、海から彼を捜しに来た、屋根裏部屋の窓にまで届くほどの…だったのでしょうね。
昔読みました。懐かしい。 窓に! 窓に!
窓に!窓に! ネットの一部で有名なネタの典拠。恐怖の対象をあえて見えずらく描写することで読者の想像を掻き立て恐怖を煽るスタイルからバイオハザードの『カユ...うま』を連想した。宇宙的恐怖よりは日本的恐怖に近いのかもしらん。
クトゥルフらしく短い時間で読める良作
手記風の文体。 ボートで漂流した後、うなされて目覚めると悪臭や死んだ魚、腐敗した得体の知れないものという不安と恐怖をかきたてる風景が広がる。さらに狂気じみた夢を見て、歩みを進めていくにつれて狂気が高まっていく主人公といった話。 いわゆる半魚人だが、直接その姿を見たのはそれほど長い時間ではなく、特に襲われてもいない。しかしながら、その姿を見て主人公は決定的に「狂った」と自覚し、逃げ出して救出された後も扉のすぐ向こうまで迫ってきていると怯える。 冒頭から結末までのだんだんと高まっていく不安と恐怖、そして狂気が何かが起きる予感と緊迫感を与える。肝心なダゴン登場があっさりしているのが惜しい。 最終的にダゴンは本当に主人公を追ってきたのか、それとも極限状態の恐怖による妄想なのか。
ダゴンが何を指すのか解って面白かったので、作家にもう少し長く書いてもらいたかった。