「寒月の「首縊りの力学」その他」の感想
寒月の「首縊りの力学」その他
かんげつの「くびくくりのりきがく」そのた
初出:「漱石全集 第一巻 月報第四号」岩波書店、1936(昭和11)年2月10日

中谷宇吉郎

分量:約12
書き出し:『猫』の寒月のモデルとして一般に信ぜられていた寺田寅彦先生が、昨年の暮押し迫って亡くなられた。その御葬式も済んで、一通りの用事も片付いた頃、漱石同門でありかつ先生の心友であった小宮さんが、「古蹟巡りをしよう」といわれて、私をあるビルディング内のC亭へ案内された。そこは小宮さんが仙台から出てこられるたびに、寺田先生と東京中の美味い料理を喰べさす家を廻られたその古蹟の一つなのである。その小さい一室で、...
更新日: 2019/10/26
19双之川喜41さんの感想

 『我猫』のKのモデルとも言われた寅彦は 英の物理雑誌で ホウトンの論文を読み それを 漱石に 話したという。 漱石は 不得手であろう科学の分野で 本質を理解する能力にたけていたという。 余恵を受けたのは 読み手かと 思った。