「閑山」の感想
閑山
かんざん
初出:「文体 第一巻第二号」1938(昭和13)年12月1日

坂口安吾

分量:約20
書き出し:昔、越後之国魚沼の僻地《へきち》に、閑山寺の六袋和尚といって近隣に徳望高い老僧があった。初冬の深更《しんこう》のこと、雪明りを愛ずるまま写経《しゃきょう》に時を忘れていると、窓外から毛の生えた手を差しのべて顔をなでるものがあった。和尚《おしょう》は朱筆に持ちかえて、その掌に花の字を書きつけ、あとは余念《よねん》もなく再び写経に没頭《ぼっとう》した。明方ちかく、窓外から、頻《しき》りに泣き叫ぶ声が起...
更新日: 2019/09/06
19双之川喜41さんの感想

 僧に化けたタヌキは、 禅の修行に 没頭 するばかりで、 寺に担ぎ込まれた 病人の 手当てをするでもなく、参禅こそが命と、 我が道をかたくなに 守り続ける。 この辺りは、 対策が必要なのに、 わけのわからんことを 口走るだけで、 無策などこかの国の お偉いさんを思わせ 、苦笑させられる。 古寺は、長い時を経て 、廃墟となり 、後を掘っててみたら、獸骨 が 出てきたと言う。

更新日: 2019/08/30
6ed1fc493468さんの感想

安吾は本当に桜に恐怖感をもっている。私まで夜桜などを見ると、数々の作品を思い出し、ぞっとすることもある。