「陰獣」の感想
陰獣
いんじゅう
初出:「新青年」博文館、1928(昭和3)年8月増刊~10月

江戸川乱歩

分量:約180
書き出し:一私は時々思うことがある。探偵小説家というものには二種類あって、一つの方は犯罪者型とでも云《い》うか、犯罪ばかりに興味を持ち、仮令《たとえ》推理的な探偵小説を書くにしても、犯人の残虐《ざんぎゃく》な心理を思うさま書かないでは満足しない様な作家であるし、もう一つの方は探偵型とでも云うか、ごく健全で、理智的な探偵の径路にのみ興味を持ち、犯罪者の心理などには一向《いっこう》頓着《とんちゃく》しない様な作...
更新日: 2024/05/01
阿波のケンさんさんの感想

主人公に恋する変態癖のある美しい人妻、事件は一転、二転、三転していく。しかし出した結論も…真実は闇の中。楽しめる作品でゴールデンウィークに読むのに最適。

更新日: 2021/12/29
ハルチロさんの感想

恐らく、乱歩ファンの方々が、この作品を読まれたならば、乱歩作品の一つの集大成と取られる方と、乱歩作品を寄せ集めた平凡な作品と取られる方とに分かれるかもしれない。個人的には、乱歩作品にそれ程多く触れていないので、結構面白く読めました。乱歩先生の奇怪かつ猟奇的な要素は、少ないですが、犯人像を推理しながら読み進めると、冒頭からの描写が腑に落ちることと思います。