「木馬は廻る」の感想
木馬は廻る
もくばはまわる
初出:「探偵趣味」探偵趣味の会、1926(大正15)年10月号

江戸川乱歩

分量:約27
書き出し:「ここはお国を何百里、離れて遠き満洲《まんしゅう》の……」ガラガラ、ゴットン、ガラガラ、ゴットン、廻転木馬は廻《まわ》るのだ。今年五十|幾歳《いくさい》の格二郎《かくじろう》は、好きからなったラッパ吹きで、昔はそれでも、郷里の町の活動館の花形音楽師だったのが、やがてはやり出した管絃楽というものに、けおされて、「ここはお国」や「風と波と」では、一向《いっこう》雇い手がなく、遂には披露目やの、徒歩楽隊...
更新日: 2024/09/27
a77873d2807eさんの感想

「探偵趣味」所収だし、なんらかのミステリイかと思ったら純文学的だったので驚いた。 でも年配男のただ若い娘に寄せるねっとりとした観察、視線は乱歩らしいテイストと思った。 でも椅子に入ったり、屋根裏を散歩したりしないで、充分に自省的で常識的なのが「純文学的」と感じたのかな。 でもココにナニカが起こりさえすれば、乱歩ミステリイの始まり始まりなのかしらん

更新日: 2021/03/24
ひまわりさんの感想

起承転結ガチガチの文構成の一貫した物語ではなくひとつひとつの描写から読み取れる美しくも切ない情景を感じ取ったりサラサラと読み進めていく方が良さを味わえると思う。