「鬼」の感想
おに
初出:「キング」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年11月、1932(昭和7)年1月~2月

江戸川乱歩

分量:約80
書き出し:生腕《なまうで》探偵小説家の殿村昌一《とのむらしょういち》は、その夏、郷里|長野《ながの》県のS村へ帰省していた。S村は四方を山にとざされ、殆《ほとん》ど段畑《だんばたけ》ばかりで暮しを立てている様な、淋《さび》しい寒村であったが、その陰鬱《いんうつ》な空気が、探偵小説家を喜ばせた。平地に比べて、日中が半分程しかなかった。朝の間は、朝霧が立ちこめていて、お昼頃ちょっと日光がさしたかと思うと、もう夕...
更新日: 2024/09/21
矢部小路角三さんの感想

今度、朗読劇で取り上げるというので読んでみた。鬼という題からもっと凄惨な事件かと思ったが、よくある情念と探偵小説らしいトリックの内容だ。或る女ぐらいのタイトルで十分だろ。

更新日: 2022/01/17
ハルチロさんの感想

この作品は、思うに、乱歩先生の作品群の中でも“正統派”推理小説ではないのでしょうか。乱歩先生お得意の?猟奇的、怪奇幻想的描写が少なく、代わりに凝ったトリックによる犯罪が描かれています。犯人についても、個人的には、種明かしされる最後まで分からなかったことでも、高評価です。これが、ドラマ化されたら高視聴率をとれそうな気がします。

更新日: 2021/06/16
ひまわりさんの感想

乱歩の探偵小説でも明智が出てこないタイプか〜! どんでん返しって程でもなく割とセオリー通りに淡々と進んだ気がする。 45分くらいで読み終わったのでやはり特段難しいということもなくアッサリした作品だったと言える。