今度、朗読劇で取り上げるというので読んでみた。鬼という題からもっと凄惨な事件かと思ったが、よくある情念と探偵小説らしいトリックの内容だ。或る女ぐらいのタイトルで十分だろ。
この作品は、思うに、乱歩先生の作品群の中でも“正統派”推理小説ではないのでしょうか。乱歩先生お得意の?猟奇的、怪奇幻想的描写が少なく、代わりに凝ったトリックによる犯罪が描かれています。犯人についても、個人的には、種明かしされる最後まで分からなかったことでも、高評価です。これが、ドラマ化されたら高視聴率をとれそうな気がします。
乱歩の探偵小説でも明智が出てこないタイプか〜! どんでん返しって程でもなく割とセオリー通りに淡々と進んだ気がする。 45分くらいで読み終わったのでやはり特段難しいということもなくアッサリした作品だったと言える。