江戸川乱歩
タイトル『地獄風景』を乱歩先生が著すと、作品中のこのような情景になるのですか…。「地獄」というと、仏教絵画や宗教絵画の描写が真っ先に思い浮かぶのですが、本作品のような情景を思い浮かべるのは、凡人の私には、思いも寄りませんでした。「錯乱と狂気の地獄」とでも申し上げるほかない「地獄」の描写でした。読了後、ダリやピカソの絵画を思い出しました。
奇想天外、豪華絢爛な物語だ。
まさに地獄風景!犯人は早くから見当がついたが、犯人当てに力点が置かれているわけではない。ただただ色彩豊かな人外境での白昼夢のような殺人絵巻に圧倒されるべし!乱歩に堪能した。これぞ猟奇の果ての楽園崩壊!