「妖虫」の感想
妖虫
ようちゅう
初出:「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月

江戸川乱歩

分量:約315
書き出し:青眼鏡《あおめがね》の男熱帯地方に棲息《せいそく》する蠍《さそり》という毒虫は、蜘蛛《くも》の一種であるけれど、伊勢海老《いせえび》を小さくした様な醜怪な姿をしていて、どんな大きな相手にも飛び掛って来る、凶悪無残の妖虫である。そいつが獲物を見つけると、頭部についている二本の鋏《はさみ》で、相手をグッと圧《おさ》えつけて置いて、節《ふし》になった尻尾《しっぽ》を、クルクルと弓の様に醜くそらせて、その...
更新日: 2021/11/26
ハルチロさんの感想

本作品は、本格的推理小説なのだが、どちらかといえば、心理劇的側面よりもサスペンス的側面とスリラー的側面が強いと思われる。著者の代名詞である「明智小五郎」や「少年探偵団」は、出現しないが、何となく、登場人物が、「明智小五郎」や「少年探偵団」団長の小林少年に見えてくるのは、私だけであろうか?著者の作品に精通している方や、推理小説通の方は、恐らく、作品半ばで犯人を思い付くことと思う。しかし、作品の場面展開やどんでん返しが面白いので、最後まで読み進められることと思います。

更新日: 2021/10/30
11bee0884c73さんの感想

いやぁ子供の頃以来の乱歩作品。今回は明智探偵じゃなく三笠老探偵登場でした。しかしまぁ二転三転土壇場でのどんでん返しに、あれやこれやの策謀の数々。久し振りに子供心のわくわく感をもつて楽しみました。