03 むじな長屋
山本周五郎
『さぶ』のよしみで手に取った作品。政府の贅沢のつけを市民が払わされるなんて、という言葉が印象に残った。所得格差が大概の病の原因だ、という言葉も。この言葉は現代にも通じるだろう。 この時代は、まだ人々が「人智の限界」「諦めること」を知っていた時代だと思う。つまり謙虚さがあったのだ。
詠むにつれ、どんどん深みが増す短編。じわじわ、じわじわきます。
映画もそうですが、すべての臨床家に知ってほしい一作と思います。