「薊」の感想
あざみ
初出:「小説新潮」新潮社、1959(昭和34)年1月

山本周五郎

分量:約41
書き出し:加川|銕太郎《てつたろう》は机に向って坐り、ぼんやりと庭のほうを眺めていた。部屋の片方では弟の佐久馬《さくま》が、本箱を前にして書物の整理をしていた。「またですか」と云う妻の声がした、「またいつものことを考えていらっしゃるのね」銕太郎は黙っていた。彼は両の肱《ひじ》で机に凭《もた》れ、両手で顎《あご》を支えながら、やや傾きかけた陽の当る、冬枯れの庭を眺めていた。赤錆色《あかさびいろ》の、少しも暖か...
更新日: 2024/04/05
395ebe878c3fさんの感想

なんとなく、こういう意味なんだろうな~という想像はできましたが、はっきり表現されていないため、モヤモヤしました。後味の悪い作品だと思いました。

更新日: 2021/08/26
5689503e0815さんの感想

趣向は面白いが、完成度としては満足できない。

更新日: 2021/07/23
f4eb2ac81911さんの感想

へええ、と思わされた。 単なる夫婦間の性癖のもつれを描いたものだろうと思い、人間は今も江戸時代も変わらない面倒なもんだなと読んでいた。 でも何だか夫婦とそこにいる弟の距離感がつかめず、話が噛み合わないような気がしていた。 ところが最後にきて、ああそういうことだったかと理解した。 上手いなぁ山本周五郎。