「雨あがる」の感想
雨あがる
あめあがる
初出:「サンデー毎日涼風特別号」毎日新聞社、1951(昭和26)年7月1日

山本周五郎

分量:約57
書き出し:一もういちど悲鳴のような声をあげて、それから女の喚きだすのが聞えた。——またあの女だ。三沢伊兵衛は寝ころんだまま、気づかわしそうにうす眼をあけて妻を見た。おたよは縫い物を続けていた。古袷《ふるあわせ》を解いて張ったのを、単衣《ひとえ》に直しているのである。茶色に煤《すす》けた障子からの明りで、痩《や》せのめだつ頬や、尖《とが》った肩つきや、針を持つ手指などが、窶《やつ》れた老女のようにいたいたしく...
更新日: 2024/03/02
時間旅行者さんの感想

身分や生き方にかかわらず誰もがひたむきに生きている、その美しさ、哀しみが伝わってくる そして人の気持ちの奥底にある やさしさといたわりに胸打たれる作品 主人公のような優しさを持つ人は果たして存在するのだろうか? 強く、かつ慈しみを持って支えてくれる相手も…  だがもしかしたらどこかにいるのかもしれない─ そう思えるだけで雨あがり後のお日さまを見るようなすがすがしい心持ちになれる この作品を読了した時のように

更新日: 2022/10/28
49af1ac632dfさんの感想

とても好きな作品です。 藤田まこと、中村玉緒 主演の「夫婦旅日記/さらば浪人」の第1話(全25話)、黒澤 映画も勿論 観賞しております。 脚本に多少の違いますが、どちらも味があるので、機会がありましたら、見比べてみるのも また楽しいです。

更新日: 2022/07/16
0e3ef39aa011さんの感想

本は初めて読みました。雨あがる 大好きな映画で何度も何度も見ていまLす(笑)

更新日: 2021/09/02
fe93e141a4c6さんの感想

最近おかしな天候で、猛暑かと思えば長雨になります。 ですが、この作品を読み終えて晴れ晴れとした気持ちになりました。

更新日: 2021/05/10
zaudyさんの感想

最後に気持ちの良い涙がでる ありがとう

更新日: 2021/04/17
cfa389de9726さんの感想

ただただ、素晴らしい。この読後の爽やかさは、最終シーンの峠からの眺望の広やかさに似ているかもしれない。 二十年も前に映画「雨あがる」を見て以来その世界にずっと魅了されていたが、たまたまこの青空文庫で原作を見つけて初めて読み、映画のシーンを思い出しながらもさらに一段と素晴らしい文章世界に引き込まれた。特に伊兵衛とおたよの細やかな夫婦の機微は、映像を伴わなくとも行間から匂い立ってくる。可笑しみすら感じさせつつ、前向きで凛とし、慎ましく優しく、健気で強く、そして明るい。 どんな境遇にあっても尊厳と希望を保ちつつ、お互いを認め思いやりながら生きていく。そういう人としての本来の生き方の素晴らしさを思い起こさせてくれる名作であると思う。

更新日: 2020/05/12
d929f626166aさんの感想

しみるわ~。癒やされますわ~。

更新日: 2019/03/02
773c63b5b7dcさんの感想

黒澤明監督の同名映画をだいぶ前に見て、いい作品だと思っていた。やはり文字で読むと、周五郎氏の市井の人々へのあたたかな眼差しが良く分かり、胸が熱くなった。