「お繁」の感想
お繁
おしげ
初出:「アサヒグラフ」 1935(昭和10)年10月12日号

山本周五郎

分量:約18
書き出し:一曇日であった。わたしは青べかを漕《こ》いで河をくだり、ふたつ瀬から関門をぬけて細い水路へはいっていった。そこにはわたしが私《ひそ》かにみつけておいた鮒《ふな》の釣場があるのだ。——左岸には川柳が茂っていて、流れにあらいだされた薄紫色の根が水の中へ美しく差伸ばされているのが見える、そこからすこし右手に朽ちかかった棒杭《ぼうくい》が五六本あって、葉の細長い藻の生えた深い淀《よど》みができている、わた...
更新日: 2023/05/22
ネモフィラさんの感想

お繁と妹に憐憫の情。 父と母に捨てられ生きていくことは無理な世界に放り出された弱者。勝手なのは大人だと思う。

更新日: 2023/05/01
ba5194e78df6さんの感想

悲しく哀れな作品です。

更新日: 2023/01/07
鍋焼きうどんさんの感想

お繁の描写が生々しい。気の毒だけど周りの人たちも彼女等の面倒をみる余裕もなかったろうし、世間体も気になったことだろう。今の日本からは想像もつかない貧しさと衛生の悪さに悲しくなった。

更新日: 2021/07/08
阿波のケンさん36さんの感想

この短編にも作者特有の情感が溢れている。村の貧しい憎まれっ子に対してのどうにもならないその境遇に対する深い情愛であろうか。