山本周五郎
お繁と妹に憐憫の情。 父と母に捨てられ生きていくことは無理な世界に放り出された弱者。勝手なのは大人だと思う。
悲しく哀れな作品です。
お繁の描写が生々しい。気の毒だけど周りの人たちも彼女等の面倒をみる余裕もなかったろうし、世間体も気になったことだろう。今の日本からは想像もつかない貧しさと衛生の悪さに悲しくなった。
この短編にも作者特有の情感が溢れている。村の貧しい憎まれっ子に対してのどうにもならないその境遇に対する深い情愛であろうか。