信頼と友情の感動秘話。心の琴線に触れる美しい物語に涙腺も緩む。悠二郎の堪忍に拍手を送りたい。正篤の思慮も為政者たる重みがあった。ただ若しも悠二郎が堪忍しきれなかったパラレルワールドを想像すると結末はどうなったろう。
いい話だった。
山本周五郎は読者を裏切らない。途中で雲行きが怪しくなりどうなる事かと読み進めたが最後は見事に持っていかれた。涙が止まらない。たまらない切なさを残しての納得感。幼少期に遊びを通して紡いだ友情が常に物語の底に通奏低音のように流れていて読み手の心を離さない。周五郎文学最高。青空文庫有り難う。
後半全てが予想できたにも拘らず、昭和のメロドラマのようなハッピーエンドにも拘らず、読み終えた後の満足感は流石周五郎ワールド