「桑の木物語」の感想
桑の木物語
くわのきものがたり
初出:「キング」大日本雄辯會講談社、1949(昭和24)年11月

山本周五郎

分量:約103
書き出し:一その藩に伝わっている「杏花亭筆記《きょうかていひっき》」という書物には、土井悠二郎についてあらまし次のように記している。「土井右衛門、名は悠二郎。忠左衛門茂治の二男に生れ、わけがあって七歳まで町家に育った。八歳の春から幼君のお相手として御殿へあがり、ずっとお側去らずに仕えたが、二十一のとき致仕した。生れつき奔放にして無埒《むらち》、つねに奇矯のおこないが多く、宗眼日録《そうがんにちろく》には、勤...
更新日: 2023/12/02
鍋焼きうどんさんの感想

信頼と友情の感動秘話。心の琴線に触れる美しい物語に涙腺も緩む。悠二郎の堪忍に拍手を送りたい。正篤の思慮も為政者たる重みがあった。ただ若しも悠二郎が堪忍しきれなかったパラレルワールドを想像すると結末はどうなったろう。

更新日: 2022/04/14
5c5617a2746bさんの感想

いい話だった。

更新日: 2021/04/11
e047253897afさんの感想

山本周五郎は読者を裏切らない。途中で雲行きが怪しくなりどうなる事かと読み進めたが最後は見事に持っていかれた。涙が止まらない。たまらない切なさを残しての納得感。幼少期に遊びを通して紡いだ友情が常に物語の底に通奏低音のように流れていて読み手の心を離さない。周五郎文学最高。青空文庫有り難う。

更新日: 2020/05/31
6ed1fc493468さんの感想

後半全てが予想できたにも拘らず、昭和のメロドラマのようなハッピーエンドにも拘らず、読み終えた後の満足感は流石周五郎ワールド