「三年目」の感想
三年目
さんねんめ
初出:「雄弁」大日本雄辯會講談社、1941(昭和16)年7月号

山本周五郎

分量:約30
書き出し:一の一「……どなたです」そう云って覗《のぞ》いた顔を見て友吉《ともきち》はまごついた。家を間違えたのかと思って慌てて左右を見回したが、間違えるはずはなかった。「ここに角太郎《かくたろう》という職人がいたはずなんですが、引越しでもしたんでしょうか」「さあ……角太郎さんねえ」四十がらみの実体《じってい》な男だった。「……聞いたことのねえ名だが、お豊《とよ》……おめえ角太郎さんてえ人を知ってるか」「そん...