良い作品に、出会えた。
昔、大原麗子主演でドラマ化されてた。ドラマ自体の記憶はないけど、宣伝CMの大原麗子の美しさが子供心に強烈に残った。
ネタは単なる父親の仇討話。 スリリングな場面もないのに、読み手を離さない。 「樅ノ木は残った」同様、現代にも通じる言葉選びなど、山本周五郎ワールドのなせる技なのかもしれない。 しかし主人公は若く美しく賢く慎ましく、描かれているがなかなかのしたたか者で、相手を手玉に取るところなど、自己陶酔しているように思える。余程自分に自信があったのだろう。 母に裏切られながらも愚直に生きた父の為とは言いながら、その父もその環境が嫌なら飛び出すこともできたはず。そんな夫婦の関係の良し悪しは夫婦だけが決めるもの。たとえ娘であろうとも。
哀しくて、切なくて、どうしようもない小説だった。ただ、いまの自分には、でも何も言えないものがある。世の中は、そういうものだから…。
面白すぎて、一日で読みきってしまいました。 さすがです!
読ませるねー