面白かった
よかった
致し方ない。人心が上意に沿うのは我が身可愛さの為だし、庄屋・名主にも家族親族がある。 事情をよくよく吟味し、お咎めなしとした奉行と田畑よりも母の苦労と嫁の辛さを汲んだ弥之助の心にただただ涙しました。
作者の文章は絶品である。作品は勧善懲悪物であるがやはり日本人の心にストンとおさまる。
誰にとっても手のひらを返されると言うのが、とにかく堪えるもの。そして村の態度がここまで過剰になったのは、上の事情が分からないとは言いつつ、三成がそれなりの働きをしているからこその領主だったこと、そしてもう徳川の世になることを理解出来ていたからだ。弥之助は彦坂配下で役を得るほどの人物だし、その家族に筋が通らない扱いを、村が行っていたことを、新領主として井伊は看過できないだろうな。