「蕭々十三年」の感想
蕭々十三年
しょうしょうじゅうさんねん
初出:「新国民」1942(昭和17)年1月号

山本周五郎

分量:約21
書き出し:一明暦三年の火事は江戸開府いらいはじめての大災だった。正月十八日午後三時ころ、西北の烈風ちゅうに、本郷五丁目裏にある本妙寺から発した火は、ほとんど市街の三分の一を焼き、ついに江戸城の本丸天守閣をさえ炎上せしめた。そしてまだその余燼《よじん》の消えやらぬ翌十九日、小石川の新鷹匠町と、麹町五丁目との二カ所から出火し、江戸城の諸門は大手をのぞくほかすべて焼亡、品川の海岸まで延びてようやく鎮火した。罹災し...