「はたし状」の感想
はたし状
はたしじょう
初出:「週刊朝日 新年増刊」朝日新聞社、1951(昭和26)年1月

山本周五郎

分量:約50
書き出し:一今泉第二は藩主の参覲《さんきん》の供に加わって、初めて江戸へゆくことになったとき、和田軍兵衛の長女しのを嫁に欲しいと親たちに申し出た。まず母に話したのであるが、母はさも意外なことのように、こちらの顔をまじまじ眺めながら、すぐには返辞ができないというふうだった。「いけないでしょうか、私は、母上はもう御承知だと思っていたんですが」「とんでもない、母さんはまるで知りませんよ、却《かえ》ってその反対だと...
更新日: 2023/06/13
鍋焼きうどんさんの感想

藤島としのの結婚が今泉第二に対する友情と思い遣りの結果というのは無理がある。藤島が千久馬を諭し、第二との中に入って取り持てば、第二は3年も苦しまなくて済んだだろう。当初の着想に固執して、流石の山本周五郎も想像力に欠けていたと思った。

更新日: 2021/07/17
9ae6e0b8b5a1さんの感想

もし第二が江戸に行ってなかったら…と思うと 第二、本当にそれで良かったのか? と問いたくなる 周五郎作品にしては珍しくスッとしなかったな

更新日: 2021/03/30
f4eb2ac81911さんの感想

江戸時代の日本人の心は良くも悪くもきれいだった。 その心と距離と時間が誤解を大きくする。 何もかもポケットの中のスマホに頼りきった21世紀の日本人には、もはやすべてを素直に理解し難いところがあるな。