サラブレッドが種牡馬の大役を果たして藩を救った。忘れてしまえるはずもない。
ほほう、妙な話だと思って読んでいたら突然事情が変わってしまって驚いた。 これではまるで溝口健二の雨月物語みたいじゃないか。 ホラーか?狐の仕業か? でも残りのページがあといくらもないんだけど。 どう始末をつけるのかと思ったら、なーるほどそういうことか。 江戸時代の大名周辺だから有り得るな。 長編は長編なりに短編は短編なりにきっちり納得させてくれる山本周五郎に脱帽だ。
逢瀬を 重ねるうちに 恋慕の情に とらわれるように なってしまうけど 女は 突然去り 確かに 訪れた茶屋さえ 見当たらず 男と 共に 読み手は 何が起きたのか わからないまま 話しが終わってしまう。前半の伏線に 手掛かりが あるかもしれないけど 延々と 考え込むところは 嫌いではないと 思った。
屏風はたたまれた。なるほど