「豹」の感想
ひょう
初出:「アサヒグラフ」1933(昭和8)年9月20日号

山本周五郎

分量:約17
書き出し:月見山で電車を下りると、いつもひっそりしている道の上に、ざわざわと人の動くのが見えた。正三《しょうぞう》はべつに気にもとめず、山手のほうへ大股《おおまた》に登っていくと、空地の角にある音楽家の住居で、近所から薔薇《ばら》屋敷と呼ばれている邸の門前にも、音楽家の若い妻君を中心に付近の婦人たちが四五人集まって何かひそひそ話している。正三はその傍を通り過ぎるとき、音楽家の妻君が、「宅では拳銃の弾丸を買い...
更新日: 2022/09/24
614f5cbf2ddaさんの感想

短くて読みやすかった。正一、正三、甥は政一と名前に統一性があるところが好きだと思った。最後、正三が純子が豹だったと気付く描写が直接的に書かれたところは、もうすこし婉曲でいいんじゃないかと思った。しかし山本さんも小生なんぞよりよっぽど文学を極めて考えて生きてきた方でしょうから、このような上から目線の批判は実にけしからんなと思います。