人は眠りにいつ入ったのかその瞬間は気づかない。現実と夢の世界が連続して目の前に展開する。ゆうれいから逃げることができたのは彼は本当は働き者であったから。
楽しくもあり、はかなくもありですね。楽しく読みました。
来世をたのんで現世で辛抱することの愚かさを、落語調の話の中に盛り込んで楽しませるだけでなく、啓蒙も怠らないところが流石。昔も今も不平等で、地獄の沙汰も金次第だ。
江戸時代の物語としては恐らく日本一手慣れた作者だが知らず知らずに読者を古い因習の世界に取り込む怖さを知って読まなくてはいけない。