「夜の蝶」の感想
夜の蝶
よるのちょう
初出:「家の光」1954(昭和29)年6月号

山本周五郎

分量:約27
書き出し:一本所亀沢町の掘割に面した百坪ばかりの空地に、毎晩「貝屋」という軒提灯《のきぢょうちん》をかかげた屋台店が出る。貝を肴《さかな》に酒を飲ませるのと、盛りのいいぶっかけ飯が自慢で、かなり遠い町内にも名が知られていた。車屋台のまわりを葭簀《よしず》で囲い、その中に白木の飯台と腰掛が置いてある。屋台の鍋前にも腰掛があり、そこにも三人くらいは掛けられるから、客のたて混むときには十二、三人は入ることができた...
更新日: 2022/09/28
103a62d94dfbさんの感想

グッと来ました。

更新日: 2022/05/27
cdd6f53e9284さんの感想

山本周五郎の作品ということで期待して読んだのだが、正直がっかりした。 話の設定に不備が目立ち過ぎて、突っ込みどころ満載だ。 孤児の自分を引き取って育て、そのうえに目をかけてくれて、ゆくゆくは娘と娶合わせ家を継がせようとまで考えていたらしい主人だったが、その実際は、相場に手を出して失敗し家は左前、どころか無一文、その事を密かに知った男は、恩返しをするのはこの時とばかりに店の大金を盗んだという前提で姿を消す。 つまり、育ての親である主人の世間体や見栄や体裁を取り繕うために、そのためだけに汚名を引き受けて遁走したのだ。 たとえ、盗みは噂に過ぎなくとも町方の耳に入れば黙ってはいまい。 たとえこの話が虚偽だったと調べがついても、どうして「噂」がたったのかまで調べるだろうし、当然、遁走した男の手配は為されるに違いない。 しかし、何よりも違和感を覚えたのは、何年後かにその男が未練がましく、のこのこ舞い戻ってきたことだ。 男は、いったい何を確認しにこっそり舞い戻ってきたのだろうか。 狂気の恋人に逢いに来たのか、自分が犠牲になって繁盛させた店の様子を見に来たのか、まさか、酔いどれの爺さんをたしなめに帰ってきた訳でもあるまい。 理由なら、いろいろと考えられるだろうが、いずれにしても、未練がましい女々しい理由には違いあるまい。

更新日: 2022/05/23
阿波のケンさんさんの感想

題名からは想像出来ないいい話だ!