「室鰺」の感想
室鰺
むろあじ
初出:「サンデー毎日 第十六年第五十八号」1937(昭和12)年11月14日

中谷宇吉郎

分量:約6
書き出し:伊豆の東海岸のこの温泉地では秋風の立ち始めるとともに、また室鰺が沢山漁れ出した。去年の秋の暮、少し静養の意味で、漁港と温泉とを兼ねたここの土地へ移ってきてからもう一年に近い。初めてきた時はちょうど室鰺の盛りの時期であった。通りに面して魚屋の店先には、小鰺と、室鰺との干物が一面に並べられて、秋の陽を一杯に受けながら行儀よく並んで乾されていた。それがいつの間にか段々少くなって行く中に春がきて、今また秋...
更新日: 2019/10/17
19双之川喜41さんの感想

 味覚の秋の 干物には  ビタミンが生成される場合があるらしい。 また新鮮な魚には 蝿があまり寄り付かないということである。 鋭い観察だと思った。  人間の舌の  ごく微量の物質を感じ取る能力は 計測機械などと比べても はるかに 精密らしい。