「私も講演をした」の感想
私も講演をした
わたしもこうえんをした
初出:「週刊朝日 第二十二巻第二十六号」朝日新聞社、1932(昭和7)年12月4日

正宗白鳥

分量:約6
書き出し:圓本續出の時代にはこの宣傳に利用されたためか、文學者の講演が盛んであつたが、このごろはあまり流行しなくなつた。文筆業者のうちでも、新聞記者とか政治、經濟の評論家とかいふ種類の人々は、演説にも馴れてゐて、自然上手になつてゐる譯だが、小説家や詩人のやうな純文學者は概して演壇向きでないやうである。だから聽衆の方でも知名の文人の顏を見るだけの興味で會場へ行くので、演説そのものに感心することは甚だ稀なのでは...
更新日: 2018/10/16
大宇宙の少年さんの感想

気取らない、日記のような文章だと思いました。

更新日: 2018/07/26
f678a2fb9838さんの感想

スピーチが苦手な人なら共感できますね。 最後の報酬を貰って喜ぶところは微笑ましいと思いました。

更新日: 2016/10/31
芦屋のまーちゃんさんの感想

 文筆家は講演が下手くそだ、というのはおよそ正しいと思う。正宗氏が聴衆の前で「自分も人気者だ」とか「俺の講演なんか聞いてどうする」とか感じる仕草は素人そのものだ。  文筆家は原稿用紙を丸めたり引きちぎったりして推敲を重ね作品を作り上げるが、講演はそうはいかない。一発勝負だ。“覆水盆に返らず”である。  その下手な正宗氏の講演はどのようなものだったか聞いてみたかった。案外、大学教授の講義より面白いはずだ。