「一寸法師」の感想
一寸法師
いっすんぼうし
初出:「東京朝日新聞」朝日新聞社、1926(大正15)年12月8日~1927(昭和2)年2月20日

江戸川乱歩

分量:約256
書き出し:作者の言葉私は探偵小説を書くのですが、探偵小説といっても、現在では色々の傾向に分れていて、昔の探偵小説という感じからは非常に遠いものもあるのです。私が書きますものは、それは完結して見なければ分らないのですが、恐らく本格探偵小説といわれているものには当らず、そうかといって、もっとも新しい傾向である、いわばモダン型でもなく、やっぱり私好みの古臭い怪奇の世界を出《い》でないであろうと思います。つまり私自...
更新日: 2023/02/19
矢部小路角三さんの感想

比較的初期の長編の本編は未だ本格派の趣きを残しながら、乱歩の変態性もよく写しだされている。淫靡な女に惑わされる探偵。そもそも大悪党の不具者成敗が、明智の本懐なのだし、激情的な売女など端から見下げているのだ。この名探偵にくだらない仕事を頼むんじゃあない。

更新日: 2022/08/01
ffe2f2c6d084さんの感想

短編の「踊る一寸法師」の方が印象に残った。

更新日: 2021/03/02
ひまわりさんの感想

少し長めというのと登場人物の多さ、どんでん返しなどがあるため日を空けて読むべきではないと思った。1日で読み切る方が頭の整理はつきやすい。 毎度のことながらあらゆることが明智の手のひらの上だなあ、と。特に最後の結果的に三千子を救う形になったところなどは、よくそれが表れていた。 確かに一寸法師はインパクトがあるけど、最後のトリックまで読了するとそれでタイトルが『一寸法師』になってしまうのは少し驚きもある。初見でタイトルから犯人やキーパーソンを一寸法師のように見せかけて読書を惑わせるためだというのならそれは乱歩もよく考えたものですね、、、。

更新日: 2019/06/20
フェイスレスさんの感想

まさかの犯人にまさかの探偵の告白 最後の言葉は嘘か真か

更新日: 2018/06/16
cef28afed477さんの感想

イマイチ

更新日: 2018/03/02
bfee98592882さんの感想

小生現在49歳だが、小学六年生の時に読んで以来38年振りにこの推理小説を読んでみた。読んでいるうちに筋を思い出すかなと思ったが、全く思い出すことなく、初めて読んだごとくの新鮮さだった。38年の時の流れ恐るべし、と思った次第。唯一覚えているのは、お小遣いを握りしめて本屋の子供向け小説コーナーでどれにするか迷っていた時、タイトルのユニークさと表紙絵のおどろおどろしさで購入したということのみ。今読み終わって思ったことは、伏線の張り方やレッドヘリング(読者をミスリードする事)や最後の方のどんでん返しや余韻を持たせた終わらせ方等、さすが江戸川乱歩御大!と思った。昭和戦前の東京の下町の情景(おどろおどろしく脚色されている)や当時の生活用品等、今となっては当時の風俗を伺い知ることができる風俗資料としての一面も持っている。少年探偵団がテレビでやっていたりして江戸川乱歩のシリーズはホームズやルパンと並んで当時の小学生には人気があったが、文体も子供に媚びていないし、本格推理小説としても完成しているし、当時の僕はおそらくこの小説を読み通したはいいが自分の中で完全には消化しきれていなかったのではないか。今の小学生にはどういう推理小説が人気があるのか知らないが、あの頃の少年達はかなりレヴェルの高い読書生活をしていたと思う。ライトノヴェルも良いが、時代が隔たってしまったので今読むと取っつきにくいものも小学生の頭の柔らかい時代に読んでおくのも意味のあることだと改めて思った。 本の感想を書く場で内容に殆ど触れていないのは推理小説の性格上、ということでご容赦下さい。