「監獄署の裏」の感想
監獄署の裏
かんごくしょのうら
初出:「早稲田文学」1909(明治42)年3月

永井荷風

分量:約37
書き出し:われは病いをも死をも見る事を好まず、われより遠《とおざ》けよ。世のあらゆる醜きものを。——『ヘッダガブレル』イブセン——兄《けい》閣下お手紙ありがとう御在《ござ》います。無事帰朝しまして、もう四、五カ月になります。しかし御存《ごぞん》じの通り、西洋へ行ってもこれと定《さだま》った職業は覚えず、学位の肩書も取れず、取集めたものは芝居とオペラと音楽会《コンセール》の番組《プログラム》に女芸人の寫真と裸...
更新日: 2020/12/16
19双之川喜41さんの感想

 海外留学から 帰朝したばかりの  荷風だったので 車の 引き馬を 乱打する動物虐待が  余計 我慢がならなかったのかもしれない。 二人ずつ鎖で繋がれた 囚人逹が 獄外で 作業に従事する様子も描かれている。 孤独を愛する性癖が この文から見て取れる ように感じた。

更新日: 2018/06/21
くろあしまるさんの感想

何というドラマがある訳ではない自分の日々や、近所の貧しい人々の生活を見るとはなしに見た様子を、飽きの来ない、滑らかな文章で表現している。 文字で書かれた事柄が、頭の中で映像になる。