題意は 娘と二人きりの 母子家庭の 母親の顔立ちをさす。 母の 医者との噂話を 小耳にはさみ 娘は 艶書を渡されたりする。 娘は 打ち解けた心持ちで 母を 見守れるようになっていく。
娘の心情、母の思いがよく伝わってくる。 荷風の本領発揮。
二人暮らしの美しい未亡人と娘。思春期になった娘が母親も「女」であることを理解し優しい気持ちで見守って行こうという気持ちが健気でいとおしい。永井荷風の繊細さを感じる。
切ない…
医者と母に対する複雑な龍子の心境を感じ取れ、 自分自身にとってそれは幸せに近い感情だった。 最後は清々しく読み終えた。