「雪解」の感想
雪解
ゆきどけ
初出:「明星」1922(大正11)年3~4月

永井荷風

分量:約44
書き出し:兼太郎《かねたろう》は点滴の音に目をさました。そして油じみた坊主枕《ぼうずまくら》から半白《はんぱく》の頭を擡《もた》げて不思議そうにちょっと耳を澄《すま》した。枕元に一間《いっけん》の出窓がある。その雨戸の割目《われめ》から日の光が磨硝子《すりガラス》の障子に幾筋《いくすじ》も細く糸のようにさし込んでいる。兼太郎は雨だれの響《ひびき》は雨が降っているのではない。昨日《きのう》午後《ひるすぎ》から...
更新日: 2024/04/23
19双之川喜41さんの感想

 女癖が 悪いため 女房から 愛想を 尽かされ 下宿生活を 送っている 男が 偶然 近くの 銭湯で 長い間 離れていた 実娘に 行き会い 燗を付ける 手際がよいのに 驚いたりする。心理描写は 巧であるけど 敢えて 読むほどの 作品とは 思えなかった。まあ 人によるとは 思うけれど。

更新日: 2023/12/20
阿波のケンさんさんの感想

大正末頃の風俗が手に取る様に感じられた。入れ込んだ妾には追い出され、ひょんな事から再会した放ったらかしにしていた娘には大事にされ不思議だと言っているが事情が違い過ぎ比べれられるものではないと感じる。