「生霊」の感想
生霊
いきりょう
初出:「新青年」1941(昭和16)年8月

久生十蘭

分量:約25
書き出し:一松久三十郎は人も知る春陽会の驥足《きそく》である。脚絆に草鞋《わらじ》がけという実誼《じつぎ》な装《なり》で一年の半分は山旅ばかりしているので、画壇では「股旅の三十郎」という綽名《あだな》をつけている。飛騨の唐谷《からたに》の奥に、谷にのぞんだ大きな栃の木があって、満開のころになると幾千とも数えきれない淡紅色の花をつけ、それに朝日の光がさしかかると、この世のものとも思われないほど美しいという。そ...
更新日: 2020/12/16
19双之川喜41さんの感想

 出だしは 狐に化かされた話と  誰でも思ってしまうだろうけど 少し 違っている。 その男は  故人と 瓜二つの顔をしているので  あの世から  肉親に会いに来た男と 勘違いされ  盛大なもてなしを受けてしまう。 詩情に溢れ  筋立ても念入りなので 良い作品と思った。