「枕物狂」の感想
枕物狂
まくらものぐるい

川田順

分量:約12
書き出し:老いらくの恋——その発生原因を一考するこの種の恋は、先づ以て、古今の芸術家の場合に折々見られる。芸術家の心は老を知らぬ常若《とこわか》のものなるが故に、といふのが普通の解釈である。常若人種なる芸術家は、たとひ現実に老いらくの恋をしなくても、恋する可能性を死ぬまで持ち続けて行く、と観ることが出来る。特に、偉大な芸術家に於てさうである。ほんの一例をあげれば、近松巣林子は老境に入つてから「万年草」「歌念...
更新日: 2025/10/06
艚埜臚羇1941さんの感想

  井伊大老は 能楽好きで あった。城で 能が 催された とき 80才の 狂言師が 枕物狂を 舞っている最中に 急病で 悶絶した。咄嗟に 地謡いの 若者が 入れ代わって 捨てた 笹を 取り上げて 立派に 舞い 納めたと いう。大老も 御満悦で あったろうと 感じた。