「落穂拾い」の感想
落穂拾い
おちぼひろい
初出:「新潮 第四十九巻第四号」新潮社、1952(昭和27)年4月1日

小山清

分量:約23
書き出し:仄聞《そくぶん》するところによると、ある老詩人が長い歳月をかけて執筆している日記は嘘の日記だそうである。僕はその話を聞いて、その人の孤独にふれる思いがした。きっと寂《さび》しい人に違いない。それでなくて、そんな長いあいだに渡って嘘の日記を書きつづけられるわけがない。僕の書くものなどは、もとよりとるに足りないものではあるが、それでもそれが僕にとって嘘の日記に相当すると云《い》えないこともないであろう...
更新日: 2024/08/08
阿波のケンさんさんの感想

清々しい一冊の本である。日記形式で数話あるが心温まるものである。戦後の小説だが高度成長期に入る直前でお金に対する頓着が無い。

更新日: 2024/06/04
fc5617ba0f58さんの感想

古書店のバイブルときいたので拝読。 雑文書簡なものであるようだが、乾いた文体は読みやすくはある。 ただ物語としては、そんなもんかな、という印象が残る。

更新日: 2020/10/05
19双之川喜41さんの感想

 体験したことのない ことの 思い出話が小説 であると言う 見方も あるらしいけど、 健気に も 古本屋で 一人切り盛りする娘と   炭鉱夫あがりの 小説家のような男との 交流を  虚実取り混ぜて 書いたような文である。 筋立ては頭尾が整うように 作られ 面白い場面もあるだけに 何かが足りない様な 気はする。

更新日: 2019/07/29
まのじさんの感想

この人の文章好きですね。 がちゃがちゃくどくなく、それでいて、心の流れをマス目からはみ出さないように丁寧に表現している。ネットのブログやニュースの雑な文に疲れたあとの清涼剤。