「早春」の感想
早春
そうしゅん

小山清

分量:約24
書き出し:おきぬは武蔵野《むさしの》市のはずれにある、アパートの女中である。ことし十九になる。小柄でまるまるとふとっていて、お団子のような感じがする。油気のない髪をしていて、器量もまずい。男の気を惹くようなところは、なにもない。けれども、その細い象のような目には善良な光が宿っていた。おきぬの生家は、ここからさほど遠くない、西多摩の羽村《はむら》にある。父親の商売は豆腐屋で、おきぬは次女であるが、つてがあって...
更新日: 2020/09/05
19双之川喜41さんの感想

 賄い付きのアパート と言うから 下宿屋 のようなところで  女中 をしている 容姿には 全く 自信のない 娘と  日雇い労働者 をして  浮き草のような  不安定な 生活をしている 下宿人である 男との  心の中 では  好感を持っているけど  行動には出さない二人が  太宰の作品にもよく出てくる  東京▫三鷹の井の頭公園 を通りかかり  咲き始めた 梅の蕾を 見かける。 心折れそうな 男の心情 を 優しい眼差しで綴る。