わが師への書
わがしへのしょ
初出:「東北文学 第三巻第十一号」河北新報社、1948(昭和23)年11月1日分量:約40分
書き出し:それは一冊の古ぼけたノートである。表紙には「わが師への書」と書いてある。あけると扉にあたる頁に「朝《あした》を思い、また夕《ゆうべ》を思うべし。」と書いてある。内容は一人の少年が「わが師」へ宛てて書き綴《つづ》った手紙の形式になっている。これも青春の独白の一つであろう。以下その中の若干をここに抄録する。先生、僕、ふと思うのですが、先生は鳥打帽がお似合いではないかしら。なんだかそんな風に思えてなりま...