戦争は遠くの話と思っていたが、出征者が身近に出ると、急に近くの話に思えてくる。というような事が書いてあった。死という概念も同じで、身内の葬式で初めて死の恐怖が迫ってくる。 貞操を破った娘の父が自殺をはかるというショッキングな描写が、然り気無く入っているところが戦時中だと思った。すでに、死が身近な存在なのだ。戦争が始まると、村は女ばかりになるのは古代ギリシアでも同じだ。そんななか、二人の女は跛と白痴で、弱者として登場している。弱者のはずが、駈落ちしたり未婚で孕んだりとお盛んであるところが逆に救いなのかも知れない。