言葉を 交わし たことは ないけれど 懸想 して しまった。妄想に くわえて 迷走 までも 併発 してしまったので 白昼夢に 浸る。そんな ようなことは 誰にでも あったり して 懐かしい ような 面倒臭いような 心持ちに しばし はまって しまう。恋情の 表現法は 美しいと 感じた。
母親が 夜なべ仕事で ほそぼそと 作りあげた 着物の 届け先の 青年が 娘の 妄想に充ちた 片想いの 相手である。夜の 蝉が 灯から 虚しく 滑り落ちるかのような 青年の 手応えの無さに 娘は 気持ちを 持て余してしまうのである。誰にでも 通過儀礼として 似たような 経験のありそうな 心の揺らぎを 詩味溢れた 文章で 紡ぐと感じた。
この感じ、わかります。恋ってそうですよね。でも醒めると何でこんな人を好きになったのかしら?なんて思ってしまう。恋をいっぱいして目を肥やしましょう、若者たちよ。