「井伏鱒二によせて」の感想
井伏鱒二によせて
いぶせますじによせて
初出:「新潮 第五十巻四号」新潮社、1953(昭和28)年4月1日

小山清

分量:約14
書き出し:井伏さんに「点滴」という文章がある。太宰治を追憶した文章である。それによると、太宰と井伏さんとは、水道栓から垂れる雫の割合のことで、無言の対立を意識していたようである。太宰は一分間に四十滴ぐらいの雫が垂れるのを理想としていたようで、そして井伏さんは一分間に十五滴ぐらい垂れるのを理想と見なし、いまでもそうだという。終戦前、二人が疎開していた甲府の宿屋の洗面所の水道栓から漏れる点滴の話である。太宰は手...
更新日: 2019/02/17
10bbe1078a77さんの感想

終始穏やかな顔で読んでいられる。そしてこれを読んだ後に井伏先生の作品を読むと、また印象が何か少し変化するのかもしれない。 井伏鱒二と言う人と彼に寄せた思いを語るだけの短い文章ですが、私はなんだか、これを読むと少し胸が暖かくなるのです。とても優しい気持ちで読んでいられる、ある形の「愛」を感じます。