「おじさんの話」の感想
おじさんの話
おじさんのはなし
初出:「新潮 第五十巻七号」新潮社、1953(昭和28)年7月1日

小山清

分量:約54
書き出し:昭和二十年の三月上旬に、B29が東京の下町を襲撃した際に、私は一人の年寄と連れ立って逃げた。その年寄のことを、なが年私はおじさんと呼んでいる。おじさんはそのとき、折りわるく持病の神経痛が出て跛をひいていたので、私は手を引いて逃げたのである。二人ともに身一つで逃げた。おじさんはいちど私のことをいのちの恩人だと云ったことがあるが、そんなに感謝される謂《いわれ》はなにもない。私達はともにある新聞販売店に...
更新日: 2020/08/24
19双之川喜41さんの感想

 昭和の頃の 新聞販売店で 留守を預かるおじさんは 配達する新聞の枚数を数えたり 差し込み広告の 裏の白いところを利用して 帳簿をつくったりが 役目ではあったけど 大切な 新聞束の受け取りの時に 姿を見せないことが あったりした。実はおじさんは 株価を 的中させる 賭博に凝っており 時に 警察の厄介になり 店にも迷惑をかけることになってしまうのであった。働きぶりは 活写されているけど 何とも 詩味に欠ける 仕上がりだと思った。

更新日: 2019/12/24
6c957432f5f4さんの感想

市井底辺の人々の世界を、同じ位置から「私」が描く、どこかウィリアム・サロイヤンの短編に似た風味。